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オーストラリア、ケーヒル選出の謎。
スポンサー枠疑惑に監督も意味深。
text by
杉山孝Takashi Sugiyama
photograph byGetty Images
posted2018/06/12 17:00
2006年ドイツ大会で日本を絶望の淵に追い込んだケーヒルも今年で39歳。4大会目のW杯でどんなプレーを見せるのか。
「30秒、30分であれ、準備ができている」
オーストラリアの最終メンバー発表は、他の国に比べて少し遅かった。ようやく今月に入り、ロシアに向かう23人の名前が挙げられた。キャンプ地トルコで明かされたリストには、ケーヒルの名もあった。
オランダ人指揮官は、最年長38歳の選出について口を開いた。
「30秒であれ、30分であれ、私が必要とする時、彼は準備ができているはずだ」
「ティムの状況は、誰もが知っている。彼とは何度か話した。我々の間では、状況は非常に明確になっている」
「ギャンブルだって? いつものことさ」
W杯出場を決めた後からチームを預かった指揮官は、負荷のかけ方など開幕に向けてのチームづくりについても語っている。
「自分たちがしていることと、どんなリスクがあるかについて、我々はたくさん頭をめぐらせ、話し合いをしている」
「これがギャンブルだって? いつものことさ」
このコメントが、日本のものではないのが残念だ。
ペレ、ウーベ・ゼーラー、ミロスラフ・クローゼ。もしもケーヒルがロシアでゴールを決めれば、W杯4大会で得点した、この偉人の列に連なることになる。先発出場は、まずないだろう。だが、ドイツの地での日本戦の2得点も、交代出場から奪ったものだった。
大会前最後の親善試合となる9日のハンガリー戦、話題をさらったのは初選出の19歳、ダニエル・アルザニのゴールだった。ケーヒルは残り10分で交代出場。今年2度目の代表戦のピッチに立った。
あとは、本番で力を証明するだけだ。