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Bリーグファイナルで圧巻の25点差。
王者アルバルクはいまだ進化途中。
posted2018/05/28 17:50
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
Kiichi Matsumoto
1年間を締めくくる試合で、最高の戦いを見せた。だから、アルバルク東京は2年目のBリーグの王者になれたのだ。
チャンピオンシップ(CS)ファイナルのスコアは、85-60。25点差がついた。これは今季、天皇杯を制覇した千葉ジェッツが敗れた試合のなかで、もっとも点差の開いた試合となった。
試合後、ジェッツの司令塔・富樫勇樹もアルバルクのパフォーマンスを素直に認めた。
「ほとんど40分間、自分たちのリズムでできなかった。あっちのディフェンスをほめるべきだと思います。それに対して自分たちが対応できなかった部分がありました」
MVP田中大貴は「ディフェンスの勝利」。
MVPに輝いた田中大貴は、ファイナルで最高の戦いを見せられた要因をこのように振り返っている。
「ディフェンスの勝利だと思います。あとは、千葉さんはファストブレイクが得意なチームなので、ヘッドコーチからも『相手に走らせないようにするには自分たちのオフェンスを良い形で終わらせることが大事だ』とずっと言われていた。今日はオフェンスを良い形で終わらせることができましたし、相手を走らせず、苦しめられたディフェンスの勝利だったと思います」
ジェッツ最大の強みは、守備で相手を苦しめて、アグレッシブに走って速攻を繰り出すパターンだ。一方、アルバルクはタフショットと呼ばれる苦しい局面でのシュートを打たないようにボールを回し、守備でも激しさを見せて簡単な速攻は許さなかった。
終わってみれば、ターンオーバーから奪った得点は19点、速攻も13点と、いずれもジェッツを上回っている。相手の良さを消すどころか、そのお株を奪うような戦いをアルバルクが見せたからこその勝利だった。
そこには大きく2つの要因があるのではないか。