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2冠達成に王手の千葉ジェッツ。
1年前の教訓から、言い合いせずに。
posted2018/05/25 16:30
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
B.LEAGUE
琉球ゴールデンキングスとのチャンピオンシップ(CS)のセミファイナルは、千葉ジェッツの成長の跡が見える試合となった。
19日に行なわれたGAME1は前半を終えて、30-22と千葉がリード。しかし、持ち味である速攻からの得点はわずかに4点だけで、試合のペースは今季リーグ最少失点の琉球に握られていた。
それでもチームに動揺はなかった。
千葉の大野篤史ヘッドコーチ(HC)はこう話している。
「ディフェンスのインテンシティレベルが高かったですし、1週間準備してきたことを、前半はほぼノーミスでやれたことが良かったかなと思います」
準備してきたこととは、琉球の攻撃への対応だ。思うような攻撃が見せられなくても、守備でしっかりと相手を抑えこむ。我慢強く戦い続けると、3Qの10分間に攻撃力が爆発。前半20分間で決めた得点とほぼ同じ29点を叩き込んで、勝負を決めた。
もしファウルが必要なら俺がファウルを。
翌日のGAME2では、琉球が徹底的にインサイド勝負を挑んできたために、序盤から千葉のファウルがかさむ苦しい展開となった。
大黒柱のギャビン・エドワーズが2Qの4分27秒に、アウトサイドプレーも得意とするレオ・ライオンズが2Qの6分5秒に、それぞれ3つ目のファウルを犯した。その影響でゴール下での守備では激しく当たれず、そこを起点に琉球の攻勢を受ける。
それでも得点源のマイケル・パーカーらと、2Q終了間際の富樫勇樹のシュートもあり、2点リードでハーフタイムを迎えた。
もっとも、後半もインサイドで苦戦するのは目に見えていた。そこでパーカーは2人の外国籍選手に対してこう話したという。
「もしファウルが必要な場面があれば、俺がファウルをするぞ。自分がマッチアップするところから相手が攻めてきても、わざわざヘルプに来なくていいからな」