草茂みベースボールの道白しBACK NUMBER
中日のカリビアンはなぜ活躍できる。
チーム内の国境を越えたファミリア。
text by
小西斗真Toma Konishi
photograph byKyodo News
posted2018/05/24 08:00
今季から加入したアルモンテ(右)は5月20日現在、打率3割5分2厘でリーグ2位。3年目のビシエド(左)とともに打線を引っ張っている。
「オレたちはファミリアだ」(ガルシア)
キューバ人のまじめさをドミニカ共和国人が称えているのだから間違いないだろう。
自ら人間性を重視して獲得した選手を、リナレス、桂川、ルイスが公私にわたってサポートする。
民族や人種の壁も越えがたいが、宗教や政治の壁も厚く、高い。それが中日では見えないのは「スポーツに国境はない」ということなのか。それとも「日本には金を稼ぎにきている」という割り切りなのか。
いや、ガルシアはこう言った。「オレたちはファミリア(家族)だ」と。
一見すればカリブのカオス(混沌)。それでいて実はコスモス(秩序)。その間をつないでいるのは信頼という糸で紡がれた絆だった。