5番に戻された岡本だが、シーズン終盤にも期待が。

　チャンスでの強さは3番打者としての必須の才である。と同時にシチュエーションで臨機応変に打撃を変えられることで、調子のいい1、2番コンビの力を最大限に生かせる。それが今季の岡本の成長点なのである。

「3番・岡本」は中日戦の2試合で8打数3安打の結果を残した。ただ、最終的にはこの2試合で実験は終わり、岡本の打順はそれまでの5番に戻っている。そこには色々な理由があるが、6番に座る亀井義行外野手とセットになった方が打線の中盤に厚みが出て、切れ目のないオーダーを組めるという判断だった。「チーム全体の最善」を考えた末の決断という訳である。

　奇しくも「2番・大谷」も同じ2試合だけの試みだったが、その実験の中で大谷も、岡本も確かなツメ跡は残したことが大きい。

　巨人で考えれば近い将来、より具体的に言えばシーズン終盤に「3番・岡本」というオーダーが再び実現することは、間違いないだろう。