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日本Sの経験でブルペンが劇的成長!
DeNAの砂田毅樹、必勝の覚悟。
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byKyodo News
posted2018/05/15 08:00
昨季のソフトバンクとの日本Sでは、6試合中5試合で登板。そのうち1試合では勝利投手にもなっている砂田毅樹。
DeNAにとって「言わずもがなの課題」とは?
苛烈なシーズン本番はこれからだ。
ちょっと失礼かと思ったが「何か懸念材料はありますか?」と尋ねてみた。すると木塚コーチは、苦笑しながら「それは口が裂けても言えませんよ」と返してきた。
「そういった部分を消すためにベストを尽くします」
言わずとも課題は当然、チームとしてこのリリーフ陣の調子を維持することだ。
昨季も前半戦は快調であっても後半戦にかけコンディションを落としてしまった投手が何人かいた。
その1人が昨季62試合を投げた左のリリーフの要である砂田毅樹だ。
「自分らしいピッチングができるようになった」
「中継ぎも今年で3年目なので、慣れもあり準備も含め精神的な部分で楽になっています。昨年の前半に比べるとずば抜けた感覚はないのですが、疲労度に関しても自分でわかるので、そこを踏まえ自分らしいピッチングができるようになっていますね」
現在19試合に登板し、防御率1.76と好調の砂田は、昨季と同じことを繰り返すつもりはない、と冷静な面持ちで語った。
「昨年は調子が良いときに上半身に頼ってしまったのか、コンディションを悪くすると落ちる一方でした。けど今年は下半身を含め全身を使って投げているので、これを続けることができればどこかに疲れがたまるということはないと思います。
木塚コーチからは昨年のことを思い出し、体と相談してやっていけばいいと言われています」
砂田は、ストレートとスライダーを軸に、チェンジアップ、カーブ、シュートと多彩な変化球を持つが、今シーズンから新たに縦に落ちるボールを使うようになった。
最初は以前使っていたスクリューボールかと思ったのだが、鋭く落下するその軌道はフォークである。