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日本Sの経験でブルペンが劇的成長!
DeNAの砂田毅樹、必勝の覚悟。
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byKyodo News
posted2018/05/15 08:00
昨季のソフトバンクとの日本Sでは、6試合中5試合で登板。そのうち1試合では勝利投手にもなっている砂田毅樹。
「“落ちる”ボールが欲しかったんです」
「自分の中で“落ちる”ボールが欲しかったんです。スクリューのように“逃げる”のではなく“落ちる”。
キャンプで練習をしたら上手く落ちたのでコーチと相談して使うようになりました。最初は誰かに習うということはしなかったのですが、投げていくうちにどんな軌道を意識しているのか、飯塚(悟史)や井納(翔一)さんにいろいろ話を聞きました」
ピッチングの幅を広げた砂田は、左打者への対応ばかりでなく右打者に対しても強みを発揮し、さらに昨季よりも奪三振率を向上させている。
「スライダーを多投したことで、そこを狙われるようになったので、自分が成長するためにも必要なボールでした」
どんな場面でも全力で挑み続ける砂田。
砂田は、井納翔一、パットン、山崎康晃の勝ちパターン継投に組み込まれているわけではない。
三上朋也、エスコバー、三嶋一輝とともにリードであろうが同点であろうがビハインドであろうが、どんな場面であってもブルペンを飛び出しマウンドへと向かう。
5月12日のヤクルト戦では同点の11回にマウンドに上がり、フォアボールと味方のエラーが重なり負け投手となるが、砂田は顔を伏せることなく前を向く。
「厳しい場面での出番や、やる仕事は多くなったけど、それだけ信頼されているということだし、やりがいはありますよ。とにかく自分ができることでチームに貢献したい」
クールな砂田は表情を変えずそう語った。