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「インドアもビーチも同じバレー」
元全日本エース越川優を変えた言葉。 

text by

市川忍

市川忍Shinobu Ichikawa

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photograph byMakoto Baba

posted2018/05/08 11:00

「インドアもビーチも同じバレー」元全日本エース越川優を変えた言葉。<Number Web> photograph by Makoto Baba

インドアからビーチへと転向した2人。越川(左)にとって大先輩・西村の存在は大きい。

インドアの癖を使えるなら使おう。

 転向直後はトレーニング方法を大幅に変え、体重を6キロ増量したが「もう少し軽い方が動きやすい」と、現在は、インドア時代に比べて1~2キロのアップにとどめている。ビーチバレーボールに必要なことを考えては試し、また考え、修正を繰り返した昨シーズンだった。そんな中、ペアを組むことになった西村からかけられた「インドアもビーチも同じバレーボールだ」という言葉は、越川の方向性を定める助言となった。

「インドア時代の癖があったとしても、それはしょうがない。うまく使えるところは使おうと前向きに考えられるようになりました。今年に入って、ロスで合宿をしたんですよ。アメリカ女子のビーチバレーのペアにも指導しているコーチで、そこで教えてもらったことが今までとは違い、とても新鮮でした。

 ビーチで1年しかやっていないので、正直、僕には何が正しくて何が間違っているのかわからない。去年はまず、この世界を知ることがいちばん大事だった。強化指定のメンバーになって、やってきた中で、アドバイスされたことには一度はトライしてみようと思ってきました」

磨いてきた感覚を信じるしかない。

 しかし、東京オリンピックまで残り2年半と考えたとき、越川の考え方に変化が起きた。

「自分には、インドアで培ってきた感性がある。こだわってきた部分もある。変化は必要だけど、すべて手放す必要はないと思ったんです。自分の感性でプレーしてきたからこそオリンピックに行けたし、イタリアでもプレーできた。ビーチバレーの選手としての技術向上とは別として、選手として忘れてはいけないものだと思いました。今は、自分が磨いてきた感覚を信じるしかないと思っています」

 東京オリンピックまでの時間を、悔いのないように過ごしたいと考えた。

「今年は、自分が必要だと思うことをやろうと思ってスタートしました。去年やってみたことで、変えなければいけないことも見えました。それが外国人コーチに指導してもらうことや、新しいペアなんです」

【次ページ】 国内の結果だけでは世界と戦えない。

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