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MLB労使協定が大谷翔平の救世主に!?
ダルビッシュも心配する大問題とは。
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph byGetty Images
posted2018/05/07 08:00
内野ゴロで一塁に走り込み、足首を痛めた大谷翔平。米国では「大谷は悪くない。ベースの形こそ変えるべき」との議論まで!
5月上旬から大谷を襲う、殺人的スケジュール!
まず、5月8日(火曜日)の敵地でのロッキーズ戦から同20日(日曜日)まで13連戦ある。
この連戦は11試合がホームなのでまだいいとして、同22日からの16連戦は、大谷にとって初体験となる時差3時間の東地区のトロント・ブルージェイズ、田中将大との対戦が期待されるニューヨーク・ヤンキース、中地区だが時間的には東のデトロイト・タイガースと敵地で10試合してから、ホームに帰って6試合やるスケジュールになっている。
たった2日=2試合の違いが、目に見えない「疲労」というものにどれほど影響するのか――それは現時点では誰にも分からない。
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だからこそ、ロサンゼルス・エンゼルスの「投打二刀流」に対する考え方が試されるのだ。
大谷は他の選手以上に大事を取った方が良い。
5月も「投手・大谷」の「週イチ」の登板ペースはおそらく変わらないだろうが、試合数が多いために自ずと増える「打者・大谷」の起用法は、思いのほか重要になるような気がする。
4月27日のヤンキース戦で左足首を捻り、田中将大と打者として対決するチャンスは逃したものの、そういう徹底管理が実は「事実上の休養日」となる。
英語に「Guts=ガッツ」という言葉があるように、メジャーリーグにも日本風に「根性を見せる」ことをリスペクトする環境はある。
しかし、4月22日の試合で頭部に死球を食らって4試合に欠場したクリス・ブライアント(カブス/2016年のナ・リーグ最優秀選手)が「“Mr. Tough Man”(タフな男)になろうとしてまたボールを当てられたら、何が起こるかなんて分からないから慎重になった」と話すように、大谷も1人のプロ野球選手として、自分の体には細心の注意を払った方がいいと思う。