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MLB労使協定が大谷翔平の救世主に!?
ダルビッシュも心配する大問題とは。
posted2018/05/07 08:00
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph by
Getty Images
大谷翔平がメジャー挑戦を表明した昨秋、私を含めた何人かの記者が「あと2年経てば、2億ドル近い大金を手にすることができるのに、なぜ今、メジャーに来るのか?」というようなことを書いた。
当然だ。なぜなら、2016年に締結された現行の労使協定には「25歳未満の外国出身の選手はアマチュアとみなされメジャー契約してはならない」という不可解な項目があったからだ。
高騰するキューバ選手の契約金を抑制するためだとか何とかいう「言い訳」なんて、我々日本人にとってはどうだっていいことである。
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「外国人選手」という括りはいかにも差別的で、結果的にエンゼルスは破格の超安値で大谷と契約したことになり、そこに何の疑問も呈さない方がおかしい。
ただし、大谷の契約内容に逆風となったその労使協定が、今のところは追い風になっている。
「選手にとっての休養日を年間4日増やすこと」
新しい労使協定が締結された時、前出の25歳未満の外国人選手の契約以外に、選手の年俸総額が限度額を超えた時に発生するぜいたく税の限度額や、FA選手流出時の補償ドラフト権などのマイナーチェンジが注目された。そしてそれに付随して「クラブハウスの食事を向上させること」など、選手の生活向上のための追記条項も幾つか明文化された。
その中には「選手にとっての休養日を年間4日増やすこと」という項目もあった。
年間で4日と聞けば、「たったのそれだけ?」と思うかも知れないが、1年を通じてまんべんなく休みが増えたという意味で、結構な違いがある。
例えば大谷が所属するエンゼルスは、昨年4月にたった1日しか休みがなかったのに、今年はいきなり4日も休みがある。
エンゼルスが何の苦も無く大谷を「週イチ」ぺースで登板させることができるのも、このお陰である。