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バルサが圧倒? レアルの意地も?
名波浩と宮本恒靖がクラシコ大予想!
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Number編集部Sports Graphic Number
photograph byGetty Images
posted2018/04/27 11:30
昨年12月23日のレアルホームでの「クラシコ」では、3-0でバルセロナが完勝した。
ジダンはなぜハメスよりイスコを選んだのか?
宮本「レアルの話が出ましたけど、さっき出たバルサのフィロソフィーみたいなもの、レアルには感じる部分はありますか?」
名波「ジダンという監督が思い描くサッカーなら、攻撃的だろうと思うじゃない。ゴール前のシーン、崩しのシーンでいろんなアイデアを出したいんだろうな、と。だけど……実は俺、ちょっとデータを集めてきまして」
宮本「おっ、そうなんですか(笑)」
名波「ジダンが初めてクラシコを戦ったゲームだと思うんだけど……バルサのホームで、レアルが1-2で勝ってるんだ。そのときのパス数が、バルサが694本で、レアルは346本なの」
宮本「おおっ」
名波「これを、ジダンはやらなきゃいけないと感じたんだと。ボールはバルサに握らせて、自分たちは堅守ではないかもしれないけど、ショートカウンター、カウンターをイメージしたサッカーをしようと。対バルサに関しては。
そう腹をくくらないと、パス300本台という数字はなかなか出てこない。俺が調べた、他のクラシコでは全部450本くらいだもの。シュート数だって、22本撃っていることもある。攻撃的なものを捨てているわけじゃない。だけど、ジダンはこうやって腹をくくれるんだなと、このゲームで思ったね。それがCLや、もちろんリーガでも結果に反映されたんじゃないかな」
宮本「現実的な監督ということですか。本来攻撃的にやりたいにもかかわらず」
名波「と、思う。リアリストだと。だから、ハメス(・ロドリゲス)よりイスコなんだよ。昨シーズンとかイスコを重宝したのはそこじゃないかと。カウンターに入った瞬間、スッと前を向いて、時間を使わずにロナウドやベイルを使って、ベンゼマも含めたフィニッシュに行ける」
185cm、85kgの体で全てのプレーが上手い&速い!
宮本「名波さんはジダン本人ともピッチ上で対戦したんですよね。しかも同い年。やっぱり攻撃的な選手だったわけじゃないですか」
名波「ものすっごい上手かった。一番上手かったね」
宮本「何が違いました?」
名波「185cmくらいあって、85kgくらいある。その体で、あんなボールの止め方するの!? という柔軟性、しなやかさ。マルセイユルーレットって言われた、回転系のプレーが多くて。ワンタッチもノールックで回転するんだけど、いつどこで見ているのかと。そして出した後もう一回、もらえる場所に入ってくる。常にゴールに向かっているな、という」
宮本「はたかれた後、うしろに入られちゃう。その意識はしていたんですか?」
名波「してたけど、あのデカさでそういうプレーはそうそう連続ではできないだろう、という固定観念がこっちもあったから。それがもう」
宮本「かわされた後に、うしろに入られる?」
名波「そう」
宮本「やっぱり寄せられないんですか?」
名波「そうだね、グーッと寄せられない。ちょっと待っちゃう感じ。あっ、もう抜かれる、とか、ワンタッチではたかれて動かれる、と思うと、寄せきれないんだ。右足も左足も遜色なくて、右ターンも左ターンも得意だから」