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バルサが圧倒? レアルの意地も?
名波浩と宮本恒靖がクラシコ大予想!
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Number編集部Sports Graphic Number
photograph byGetty Images
posted2018/04/27 11:30
昨年12月23日のレアルホームでの「クラシコ」では、3-0でバルセロナが完勝した。
今シーズン、新監督下でバルサはどう変わった?
宮本「今シーズン、バルベルデ体制で、少しやり方が変わったバルサはどう見ています?」
名波「特に、ラキティッチとイニエスタのポジション。ここの攻守の重要性がより浮き彫りになっていると思う。スアレスやメッシの決定力以上に、橋渡しとして難しい役割だよね。だけどそれがうまくいっていると、メッシが7割以上歩いていても(笑)、機能しているように見える」
宮本「メッシも昨シーズンとはまた違う役割を担いながら、結果に結びつけていますよね」
名波「本人どう思っているんだろうね? ゼロトップみたいなときもあったり、右サイドにいたときもあって、トップ下かシャドーストライカーなのか、そういうところにいるときもあって。恐らくタッチ数は5年前とさほど変わらないと思うし、運動量やシュート数も変わっていないと思うんだ。そこは変わらずに結果を出し続けているというのが、彼の凄さかな」
宮本「メッシクラスの選手も、年齢を重ねて経験値を増やし、よりサッカーを理解しているからこそそういうふうに見せられる、ということもあるんですかね」
名波「かもしれないね。俺が選手によく言うのは、難しいことを簡単に見せるのがプロだよと。メッシはまさにそうで、20代前半は無理な突破や仕掛けも多かったけど、今は、本当に花道が空いたり、体がスッと入れ替わったときにだけ、あっ、スピードが上がるな、という本気のメッシが見られる。今のほうが本来のメッシのプレースタイルのような感じがするね」
「2つ、3つ先を考えながらゲームを作れる人が……」
宮本「現役時代の名波さんと似たポジションの、ブスケッツはどう見られていますか」
名波「これだけミスが少なくて、これだけボールが集まってくる選手ってなかなかいない。ラキティッチや、パウリーニョが入ったときもそうだけど、前への推進力とか、前を向かせるメッセージ性のあるボールとか、常に意図が感じられる配球をして、彼らが動きやすい状況を作ろうとしているよね。一発でメッシに入れるよりも、ラキティッチ経由で、メッシに出してください、みたいに。一手先まで見えたメッセージがあると、サイドバックなんかも連動して動きやすいと思う」
宮本「2つ、3つ先を考えながらゲームを作れる人がいると大きいですね」
名波「そうだね。レアルで言ったら、モドリッチが凄くそういう色を出すかな」