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ゴロフキンに村田諒太は敵うのか。
最強王者に打ち砕かれた2人の証言。
text by
日比野恭三Kyozo Hibino
photograph byAFLO
posted2018/04/22 11:30
38戦37勝1引き分け、33KO。圧倒的な実績を誇るゴロフキンと、村田諒太が同じリングに上がる日は来るか。
村田が勝つためには何が必要か?
スパーリングも含めて世界の猛者と戦ってきた石田は言う。
「ランクっていうのがわかってくるんです。普通の世界チャンピオンとか、ちょっと強いチャンピオンとか。その中でも頭2つぐらい抜けてるなっていうのがゴロフキンの印象ですね。ちょっとレベルが違った」
異次元の王者に、新たに生まれた日本人世界王者、村田諒太は敵うのか。
石田は、条件付きで勝機ありと見る。
「現段階としてはしんどいかもしれないけど、数年先であれば勝てる可能性も高い。村田くんの持ち味であるプレスをどんどんかけていって、かつインサイドのパンチで下がらせれば、攻略できると思います」
淵上がウクライナのホテルで語らいながら朝を迎えた時、安心したことがあった。感触のよかった、ただ一発のパンチ。その痕跡を見つけたからだ。
「KOにつながるんじゃないのっていう感覚のパンチを当てたけど、バックステップ一つで何もなかったように攻めてこられて、当てたこっちが怯んでしまった。でもホテルで会った時に見たら、顔にあざがあったんですよ。やっぱりあざできるんだ、サイボーグじゃないんだなって思いましたね」
'17年、3月に連続KOが途絶え、9月には初の引き分けに持ち込まれた。今年4月に36歳となる人間ゴロフキンは、そろそろつけ入るスキを見せるのだろうか。
(Number944号『連続インタビュー 最強王者ゴロフキンへの挑戦』より)