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危険運転でフェルスタッペンに批判。
若きスターが王者に成長するために。
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph byMasahiro Owari
posted2018/04/22 07:00
フェルスタッペン(左)にヒットされたベッテル(右)はコースには復帰したが、マシンのバランスが崩れ、結局8位に。
ベッテルもハミルトンも、若い頃は……。
かつてベッテルがレッドブルに所属して初のタイトルを獲得した'10年は、圧倒的に速いマシンに乗りながら、何度も接触事故を起こし、一時はタイトル争いから脱落したかと思われた。その後、逆転で王座に就いたのは、事故という経験がベッテルを成長させたからだった。
同じことはハミルトンにも言える。彼もまた若いころは、多くのミスを犯したものだった。レーシングドライバーがミスを恐れてドライビングスタイルを変え、オーバーテイクを躊躇するようになったら、レースは辞めたほうがいい。大切なことは、なぜミスしたのかを検証すること。その経験がドライバーとして成長につながる。
中国GPで、フェルスタッペンは自らのミスによって、優勝という結果を手放してしまった。だが、1勝よりも大きな何かを学んだとしたら、逃した勝利は決して無駄にはならない。