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危険運転でフェルスタッペンに批判。
若きスターが王者に成長するために。
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph byMasahiro Owari
posted2018/04/22 07:00
フェルスタッペン(左)にヒットされたベッテル(右)はコースには復帰したが、マシンのバランスが崩れ、結局8位に。
フェルスタッペンは接触で辛辣評価。
リカルドが脚光を浴びた一方で、チームメートのマックス・フェルスタッペンに対する評価は厳しかった。
フェルスタッペンもリカルド同様、軟らかいタイヤに履き替えて逆転優勝できるチャンスがあった。しかし、ハミルトンへのアタックは冒頭のように失敗に終わり、コースアウトしたフェルスタッペンはポジションを落としてしまう。
コースに復帰したフェルスタッペンは2度目のアタックでハミルトンをパスすることに成功するが、その直後、ベッテルをオーバーテイクする際にブレーキをロックさせて接触。
自らの順位を落としただけでなく、2番手を走行していたベッテルから優勝するチャンスを奪い、10秒加算のペナルティを受けて、結局5位に終わった。
レース後、フェルスタッペンはベッテルのもとを訪れ、謝罪。ベッテルも受け入れた。「僕は彼(フェルスタッペン)と争う気はなかった。直前にダニエルにオーバーテイクされていたから、硬いタイヤで抵抗しても無駄だということがわかっていたからね。
あのときも僕はインを開けていた。なのに、彼はブレーキをロックさせてぶつかってきたんだ。だから彼が謝罪に来たとき、『2台そろってリタイアしていてもおかしくなかったんだぞ』と諭したよ」(ベッテル)
ドライビングスタイルは変えない。
フェルスタッペンは、このレースの1週間前のバーレーンGPでもレース中、ハミルトンとバトルし、接触。物議を醸していた。そんな中で繰り返された事故。フェルスタッペンのドライビングに対して、非難が浴びせられた。
だが、フェルスタッペンは犯したミスについては素直に自らの非を認めつつも、「自分のドライビングスタイルを変えるつもりはない」と断言した。フェルスタッペンが所属するレッドブルのクリスチャン・ホーナー代表も、いまは温かく見守るしかないと語る。
「レース後にマックスと話したが、彼は自分の非を認め、セバスチャンにも謝罪している。確かに今日、彼はいくつかのミスを犯した。でも、同じようなことはセバスチャンにもあったよ」