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<放送席から見た日本代表の激闘>
山本浩「初出場のフランスW杯前に体験した一体感」 

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山本浩

山本浩Hiroshi Yamamoto

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posted2018/04/27 10:00

<放送席から見た日本代表の激闘>山本浩「初出場のフランスW杯前に体験した一体感」<Number Web> photograph by JMPA

多くのサポーターが日本からかけつけたフランス大会のアルゼンチン戦。

松木さんと缶ビールを開けて祝杯。

 実況放送が終わった後、日本からラジオ用のコメントを伝えたり、さらに今では懐かしいことですが、日本へ試合後の選手のインタビュー映像を送るのに回線待ちをしたりして、ホテルに戻ったのは朝の5時頃。グランド・ピアノが置かれたホールで、解説者の松木安太郎さんと一緒に足を投げ出して、山と積まれていた缶ビールを開けて祝杯をあげました。

 私の実況の仕方は、試合によって、また試合の時間帯や試合状況によってまちまちです。たとえば日本代表がリードされて残り時間が少ない時はたたみかけたり、同じ言葉を繰り返したりして緊張感を視聴者の皆さんに感じてもらえるように実況するなど、その都度テンポやリズムを考えます。もっとも、考えるというよりは“条件反射”で言葉が出てくるのですが……。

 私は、自分がどんなに試合にのめり込んでも言葉はニュートラルになるように心がけています。それでも、この『ジョホールバルの歓喜』では城彰二が倒れこんだシーンに、「痛くないんだったら起きてくれ!」と思わず叫んでしまったのを覚えています。解説者の松木安太郎さんの熱情に影響されたのかもしれませんね(笑)。

 試合とは直接関係ありませんが、初のワールドカップ出場となった'98年フランス大会。この大会では現地へ行ってもチケットが手に入らない日本人サポーターの方がたくさんいらっしゃったのですが、第1戦の対アルゼンチン戦の試合開始4時間前くらいかな、メディア入口への通路脇にチケットが手に入らない大勢の日本人ファンが列をなして並んでいて、私たちが彼らの前を通ると、「よろしく頼む!」と肩を叩かれました。スタジアムの中も外も、サポーターもメディアも、みんな一緒、そんな感情を掻き立てられた貴重な体験でした。

(構成:カツヒト・サワベ)

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