藤田俊哉の日欧蹴球比較論BACK NUMBER
リーズ強化スタッフの藤田俊哉が語る
井手口陽介、前倒し移籍の理由と今。
text by
藤田俊哉Toshiya Fujita
photograph byGetty Images
posted2018/04/13 08:00
スペインの地で出場機会に恵まれない井手口。ロシアW杯23人枠に滑り込みなるか。
吉田、岡崎に続く成功例となれ。
これまで日本人選手が海外のクラブチームを経由せず、プレミアの舞台に渡って成功を収めたケースはない。
現在プレミアリーガーとして活躍している吉田麻也はオランダで、岡崎慎司はドイツで経験を積んだ。これを踏まえるとイングランド特有の激しさに対応するためには、それなりの時間と経験が必要だろう。
ヨーロッパ諸国のリーグを経験し、そのフットボール文化に慣れることも大切。
そこで結果を残せれば、日本代表でのチャンスもプレー時間も増える。だからこそ井手口には、まずはビザ取得の資格を得て、良い準備をする必要がある。成功への近道などないが、現状で考えられるすべてを準備して臨んでもらいたい。
彼の目標はあくまで“世界のトップレベルで通用する選手になる!”こと。
W杯への強い思いを持ちつつ、今はさらに実力をつけるための時間にしてもいいという井手口の考えも理解はできる。
だが、それでも私はロシアでプレーする彼の姿を見たい。たとえそれが通過点に過ぎなくても。