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大阪桐蔭の二刀流・根尾昂に尋ねた。
「注目されること、どう思う?」 

text by

田口元義

田口元義Genki Taguchi

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photograph byKyodo News

posted2018/04/07 11:30

大阪桐蔭の二刀流・根尾昂に尋ねた。「注目されること、どう思う?」<Number Web> photograph by Kyodo News

センバツでは直球とキレのあるスライダーで打者を翻弄。ドラフト1位指名候補と目されている。

西谷監督「どっちが大人なんだろう」

 センバツを通じて、根尾は「経験」という言葉を何度も口にしていた。

 甲子園出場、全国制覇、周囲の目……その豊富な経験が、根尾に「他のチームよりは経験しているほうなので」と自信を植え付ける。相手は「根尾だ」と意識すればするほど、根尾の術中にはまる。プレッシャーを感じない男が、相手にプレッシャーを与えたわけだ。

 監督の西谷浩一は、常に衆目を集めながらも高い次元のパフォーマンスを誇示する根尾について、こう言って舌を巻く。

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「気持ちが強いし、冷静ですよね。緊張感をプラスに変えられる選手です。試合などで、僕が『冷静に』と言おうとしても『わかっています』と言いたそうな振る舞いを見せますし、普段から無駄がないんです。時間があれば練習をするし、体のケアもしっかりしますから。いつも考えて行動している子なんですね。話していても、『どっちが大人なんだろう?』と思ってしまうくらいです(笑)」

 西谷監督が言ったように、センバツでの根尾は大人だった。

最後の最後に自分を解放。

 大会期間中、連日多くの記者に囲まれながらも動揺せず、淡々と質問に答える。それこそ、プロ野球のスター選手のように落ち着き払っていた。そして、試合になれば、自らの信念のもと相手を冷静に見定め、パフォーマンスを最大限に発揮した。

 その根尾が、最後に自身を解放した。

 チームの至上命題である日本一を果たすまで、抑制し続けてきた感情。センバツ連覇を達成した瞬間、それは、相手チームの選手に「ありがとう!」と連呼するほど爆発した。

「ミレニアム世代」の象徴。根尾の存在はやはり、センバツで突出していた。

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