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福岡堅樹「どうせやるなら自分にしかできないことを」~28歳医学部受験生の二刀流公開~

posted2020/10/28 08:00

 
福岡堅樹「どうせやるなら自分にしかできないことを」~28歳医学部受験生の二刀流公開~<Number Web> photograph by Asami Enomoto

「医師になる」その夢に続く道の途中でラグビーに出会い、結果を出してきた

text by

細江克弥

細江克弥Katsuya Hosoe

PROFILE

photograph by

Asami Enomoto

日本が誇る快足トライゲッターは、昨秋のW杯で4つの重要なトライを奪い、世界を驚かせた。完全燃焼で駆け抜け、見据える次なるステージ。彼は今、医学部への進学を目指し猛勉強中だ。

「持ってますよ」と福岡堅樹がニヤリ。「持ってるんですか!」とフォトグラファーもニヤリ。

 バッグの奥から参考書とノートを取り出すと、なぜか「おー!」と歓声が上がった。それを耳にして少し照れ臭そうに、福岡は別室での撮影に向かう。

「毎日ってわけじゃないんですけどね」

 朝から静岡でのイベントに参加していたこの日は、移動時間を活用するため「たまたま」バッグに入れていたという。周知のとおり、現在の彼は世界に名の知れたラガーマンであり、医学部合格を目指す受験生でもある。参考書とノートを介して二刀流の肖像を撮影するその間、待機するマネージャーがポツリと呟いた。

「たくさんのラグビー選手と関わってきたけれど、アイツだけです。初めて出会った時から引退のことを口にしていたのは」

 大学生時分にして既にくっきりと描いていたキャリアの幕引きを、福岡は間もなく迎えようとしている。

 あの激動のワールドカップから、1年という時間が流れた。

「目標を定めて“どう向かうか”を決めるタイプだから、目標がなくなると時間の経過を点で区切れなくなってしまって。だから、すごく早く感じた1年でした」

 この日の午前中に参加したのは、静岡県のエコパスタジアムで開催された「W杯開催1周年記念イベント」だった。1年前の2019年9月28日、当時世界ランク2位のアイルランドとのプール第2戦で、福岡は日本の大金星を手繰り寄せる逆転のトライを決めた。あの劇的なワンシーンをモチーフとするモニュメントがスタジアム敷地内に設置されることになり、その除幕式にゲストとして呼ばれたのである。

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