ハマ街ダイアリーBACK NUMBER
DeNAとラミレス采配に聖域はない。
1番・桑原将志に代打、打順変更。
posted2018/04/02 12:50
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph by
Kyodo News
“聖域”など決してないのだと、改めて感じさせてくれたラミレス監督の采配――。
3年目を迎えたラミレス監督は開幕前、「チームを勝たせるためには自分に対して厳しく、そしてより多くを分析すること。昨年以上にやらなければいけないことはたくさんある。ベストを尽くし、良い決断をしてチームを勝利に導きたい」と語っていたが、早くもその言葉を実行した。
11年ぶりに横浜スタジアムで行われたシーズン開幕戦、DeNAはヤクルトと対戦したが第1戦をミスからの流れで落とすと、第2戦は新加入の先発バリオスが振るわず連敗を喫してしまった。
第2戦で桑原に代打、第3戦では2番へ。
そして今季初の“驚き”が、第2戦の9回裏に訪れる。2点を追う2死一、二塁のラストチャンスで不動のリードオフマンである桑原将志に代え佐野恵太を代打に送ったのだ。さらに翌日の第3戦で、桑原を定位置だった1番から、2番へと打順を変更した。
昨季、どんなに不振にあえいでいてもラミレス監督は「顔を前に向けているから」という理由で桑原を使い続け、結果、7月の月間MVPを取るなど指揮官の期待に応えている。これにより、一度レギュラーと決めた選手は信じ続ける、というラミレス監督のスタンスは、上に立つ人間として評価されたものだ。
しかし開幕3戦目にしてのこの采配、非情と捉えられても仕方がない。
桑原は自責の念を込め「やり返したい気持ちはある。まだ信頼がないということ。ここは歯を食いしばってやるしかない」と厳しい表情で述べている。
たしかに桑原にも問題はあった。打撃の不振は昨季後半からラミレス監督に指摘されており、さらにオープン戦では打率.167に加え出塁率は規定打席に到達した選手で一番低い.184という散々な数字。開幕後も持ち味であるフルスイングをファーストストライクからできずにいた。
ラミレス監督が求める“安定感”はまるで感じられず、迷いが生じているのは明白だった。