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高木京介は結果以外でも問われる。
巨人支配下復帰と松井秀喜の想い。 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph byKyodo News

posted2018/03/30 11:00

高木京介は結果以外でも問われる。巨人支配下復帰と松井秀喜の想い。<Number Web> photograph by Kyodo News

2シーズンのブランクがあっても支配下復帰させた球団の期待に、高木京介は応えられるか。

「自分の過ちは消えることはない」

 2年前の野球賭博事件では“主犯格”とされた笠原将生投手のほか賭博に関与した福田聡志、松本竜也両投手はいずれも無期失格選手となり、実質的に野球界から追放されている。

 その中で高木だけは賭博に関与していた期間が短く、金額も少ない上に、ただ1人、会見で謝罪するなど反省の態度を見せたことから無期処分を免れ、1年間の有期処分で復帰の道が残された。

 その後、母校の国学院大学のグラウンドを借りてトレーニングを続け、失格期限が満了した昨年3月に巨人と育成選手として再契約。昨年は主に三軍のマウンドで投げてきた。昨オフ、新たに育成契約を結び直すと、2月のキャンプでは一軍選手を相手にしたフリー打撃などにも登板。その後もオープン戦で実績を積み上げて、3月23日についに支配下登録を果たした。

 事件で処分を受けてからほぼ2年が経過した後のことだった。

「ここまでくるのにたくさんのサポート、応援をしていただいた関係者の皆さま、ファンの皆さまに感謝の気持ちでいっぱいです」

 支配下登録の会見で高木はこう感謝の言葉を語るとともに、自らの贖罪についてはこんな覚悟を口にしている。

「自分の過ちは消えることはない。真摯に野球に取り組んで、ジャイアンツに貢献することで恩返しをしていきたい」

処分前と同じ仕事を求められるだろう。

 事件前の2015年まで、高木は主に中継ぎとして一軍初登板以来139試合連続無敗という記録を更新中だった。

 復帰を果たした今季も、チームから求められる仕事は処分前と同じだろう。早めに先発投手が崩れた試合を中心とした、中継ぎが仕事の場所となる。さらにはベンチに入る左腕が高木1人というチーム事情から、場合によっては左のワンポイント的な起用もあるかもしれない。

 そこで相手打者を抑えて、チームの白星にどう結びつけるか。それが選手・高木に与えられた仕事だ。そうしてその仕事をきちっと果たすことが、これまで支え、応援してくれた人々への「恩返し」につながることになる。

 ただ、高木がやらなければならないのは、そういう「恩返し」だけではない。

【次ページ】 歓迎する声ばかりではないからこそ。

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