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20年ぶり優勝を目指すベイスターズ。
今こそ「1998年」の戦う姿勢に学べ!
posted2018/03/29 12:00
text by
田村航平(Number編集部)Kohei Tamura
photograph by
Hideki Sugiyama
「2回もここで勝利監督インタビューを受けられるとは。19年前を思い出します」
昨年11月23日に行なわれたベイスターズのOB戦「ハマスタレジェンドマッチ」は、1998年の優勝メンバーを中心とした「TEAM 1998」が、大洋ホエールズの選手たちを中心とした「TEAM YOKOHAMA」を逆転で下して勝利した。
勝利監督インタビューに呼ばれた「TEAM 1998」の権藤博監督は、お立ち台に軽やかに駆け上って冒頭のように言った。
「TEAM 1998」は、先発の野村弘樹が初回に高木豊、ポンセ、松原誠の3連続二塁打で先制を許すも、3回に現役の桑原将志を代走に起用するなど、なりふり構わない采配で逆転し、最後はお約束(?)の如く大魔神・佐々木主浩が締めくくって勝利を飾っていた。
この試合を振り返って、権藤監督は言った。
「最初は大洋ホエールズとの懇親ゲームのつもりでしたけど、点を取られたら熱くなって。『負けられねえ、'98年優勝の意地を見せろ!』と、現役を出して盗塁して、逆転して、佐々木を出すという。'98年のマシンガンみたいな戦いになりましたね」
続いてお立ち台に上がったのは、決勝打を放ってMVPを受賞した佐伯貴弘だった。
チャンスの打席での心境を問われ、「常に打ちたい、目立ちたい。これが'98年チームの個々の特徴なので」と語ってスタンドを沸かせた。
「ピッチャーにはきつく当たったけど、要は競争」
'98年のベイスターズがかくも魅力的だったのは、そのプレーもさることながら、敵に対しても味方に対しても、常にファイティングポーズを取り続けていたからだ。
リーグ優勝の直後に発売されたNumber Special Issue 1998 October「『横浜ベイスターズ』優勝までの全軌跡」の中でも、当時の権藤監督は次のように競争意識を煽っていたことを明かしている。
「ピッチャーにはきつく当たったけど、要は競争。キャンプでは18人くらいの中から、一人はずし、二人はずし、最後に残った奴らには、『お前たちでも、チャンスがあったら落としたかったよ』と言ったもんです」