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「選手の夢」欄に出るセンバツの姿。
プロ志望と普通の高校生が戦う奇跡。

posted2018/03/29 06:30

 
「選手の夢」欄に出るセンバツの姿。プロ志望と普通の高校生が戦う奇跡。<Number Web> photograph by Kyodo News

大阪桐蔭を相手に、1人で8回まで24のアウトを積み重ねた伊万里・山口修司。それだけでも誇っていいことだ。

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安倍昌彦

安倍昌彦Masahiko Abe

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Kyodo News

「センバツ高校野球」が行われている甲子園球場には、場内の通路に、主催の毎日新聞社が20ページに及ぶ「センバツ特集号」を置いて、観戦の手引きにしてくれている。

 いくつかの特集記事と共に「出場校紹介」が掲載されており、その内容がなかなかに興味深い。

 18人のベンチ入り選手のすべてについて、学年、身長、体重、昨秋の公式戦打率をはじめ、具体的な選手の特長に趣味などを載せて、選手たちを“立体的”に紹介してくれている。その中でも私は、「将来の夢」という欄に惹きつけられる。

 やはり、センバツにやって来るほどの選手たちだから、「プロ野球選手」を挙げる選手も多いが、中には、へぇーっと感心したり、ちょっと笑ってしまう夢もいろいろあって、試合そっちのけでついつい読みふけってしまったりする。

なんのために高校野球をしているのか。

 21世紀枠で出場して強豪・日大三を相手に奮投を見せた由利工業・佐藤亜蓮投手は「ハワイに住む」。18年間過ごしてきた秋田は、きっと寒かったのだろう。

 東邦高の強打線を絶妙の緩急で翻弄した花巻東・田中大樹投手は「世界一周旅行」だそうだ。高校野球の3年間、旅といえば修学旅行と“遠征”ぐらいのものだろう。行きたい場所、見たいもの、食べたいもの、いろいろあるのだろう。

 昨夏の甲子園でも1勝をあげ、2期連続の甲子園となった彦根東の好左腕・増居翔太投手の「B'zのライブに行く」は、おそらく近い将来に達成されることだろうし、松山聖陵の打線の主軸・平良倭麻外野手の「BIGな男」なんて、実にいい。

 そもそも、なんのために高校野球に取り組んでいるのか?

「甲子園出場」なんて、みみっちいこと言ってんじゃないよ。そのあとの50年、60年に、人として大輪の華を咲かせるために今、汗を流し、涙を流して、心と体を鍛えてるんじゃないのか!

 センバツ球児たちの夢が、それぞれに開花することを願ってやまない。

【次ページ】 ほとんどプロ志望vs.普通の高校生。

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