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長谷部誠が代表で今も盤石な理由。
チーム内競争とコミュニケーション。
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph byGetty Images
posted2018/03/22 11:40
前節のドルトムント戦では上位争いの直接対決に敗れたもののフル出場。長谷部のコンディションは良好だ。
「まだメンバーに選ばれたわけじゃない」
ブラジル大会を終えた直後、長谷部は34歳で迎えるロシア大会をイメージすらできなかったという。しかし、フランクフルトで本来のボランチだけではなく、新たにリベロという仕事を担えたことで、彼の中でも自信が芽生えているはずだ。
南アフリカ大会の前後、所属したボルフスブルクではボランチではなく、右サイドでの起用が多かった。ブラジル大会前に移籍したニュルンベルクやフランクフルトでは、ボランチが主戦場だったものの、負傷離脱を余儀なくされたこともある。
そしてロシア大会を前にした今、代表チームのセンターに立ち、ブンデスリーガで上位争いをしている。その現状が、本大会に活かされるだろうという期待は自然と高まる。
しかし「まだロシア大会のメンバーに選ばれたわけじゃないから」と長谷部は話す。
それは、チーム内競争を勝ち抜かなければならないという、生存競争が当たり前の日々を生きているからこその言葉だ。競争がチームを強くするのは、クラブも代表も同じだろう。
はたして今合宿で、長谷部を脅かす新たな選手が登場するのか? そちらも楽しみだ。