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長谷部誠が代表で今も盤石な理由。
チーム内競争とコミュニケーション。
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph byGetty Images
posted2018/03/22 11:40
前節のドルトムント戦では上位争いの直接対決に敗れたもののフル出場。長谷部のコンディションは良好だ。
ブラジル、ベルギー戦の連敗で得たもの。
昨年負傷した、右膝の具合はどうか?
「足はもう問題はないです。ずっと試合に出ていますけど、連戦もこなしているから、問題はないですね」
コンディションもよさそうで、非常にポジティブな状態で代表合宿に合流したようだ。
昨年11月の欧州遠征では、ブラジル戦に出場したものの、膝の状態を考慮してベルギー戦には出場しなかった。そのベルギー戦後「非常にポジティブだった」と2戦を振り返っている。
「ブラジル戦の敗戦後、とにかくもっとコミュニケーションを取ってやっていこうと話し合った。その中でベルギー戦を迎えて、練習でも試合前でもみんながコミュニケーションを取り、とても声を出してやっていました。もちろん試合でもすごくコミュニケーションを取りながらやれていた。誰かがいなくなると……というのは、今のチームにないかなと感じている。
強豪と言われる相手に対して、『こういう風に戦うんだ』というのは、今までもわかっていたけれど、今回、あらためて再確認できた。手ごたえをつかめたという空気がロッカールームにはあった。色んな意味でポジティブだったと感じています」
吉田、酒井宏樹を欠くからこその意義。
マリ戦とウクライナ戦に向けた合宿は、吉田麻也、酒井宏樹ら主力選手を負傷で欠いている。
「ポジティブに捉えたら、ケガ人に代わる選手にとってはチャンスだと思う。本大会前もケガというのは起こりえる。もしその1人、2人がいなくなって、チームがダメになってしまうのは、日本代表としてはよくないし、成り立たない。今回選ばれた選手全員がチャンスだと感じてやることが大事だと思います。
自分の役割としては……これまで様々なことを経験してきているので。新しい選手、久々に来る選手もいますし、さまざまな選手とコミュニケーションをとってやりたい」
2015年のアジアカップ時、長谷部は「キャプテンは若い選手が務めるべき」と話していた。しかしハリルホジッチ監督も、キャプテン長谷部に絶大な信頼を寄せている。
若い選手たちが数多く招集されたことを考えると、長谷部の経験値は、チームにとってさらに重要なものとなるに違いない。