マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
新庄の母校・西日本短大附に逸材が。
潜在力・中村宜聖と名手・近藤大樹。
posted2018/03/18 17:00
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph by
Sports Graphic Number
「西日本短大附属高」といえば、25年ほど前、夏の甲子園大会で優勝したことで記憶に残っている方も多いのではないだろうか。
ほかにも、阪神、日本ハムで人気者だった新庄剛志外野手の母校であり、近年では楽天・小野郁投手(2014年ドラフト2位)をプロ球界に送り出した福岡県屈指の強豪として知られている。
しかし、同校野球部が現在上映中の映画のモデルになっていることは、あまり知られていない。
地元・九州を中心に公開されている映画『野球部員、演劇の舞台に立つ!』は、同校で実際にあった実話を映画化した作品だ。
一生懸命野球に取り組んではいるが、なかなか思うような結果を出せない野球部員たち。彼らに“芝居”をさせてみたら、いったいどう変質するのか、しないのか。そう考えた演劇部の女性教師が野球部監督の協力を得て、配役に野球部員を加えた作品を作ると、それが県のコンクールで優秀作品となり、そんな中で、選手たちもチームプレーに目ざめて成長していく……。
実際に作品を作って指導された竹島由美子先生は定年で教壇を降りられているが、野球部の西村慎太郎監督は、現在も指導にあたっておられる。
今年も、期待の大きい選手が2人。
話を野球に戻そう。
西日本短大附属高には、毎年のように伺う。
お付き合いが始まったのは、雑誌『野球小僧』の取材で、当時のエース・島村竹麿投手(元・ヤマハ)のピッチングを受けさせていただいた15年ほど前だ。
当時、断られっぱなしだった前代未聞の“突撃取材”を受け入れてくださった数少ない指導者。私には「恩人」にあたる方だ。
そして、グラウンドに伺うたびに、いつも興味深い選手が何人もいる。だから、九州に行くと、ついつい足が向いてしまう。
今年のチームには、去年の今ごろから成長を楽しみにしている強肩・快足の中村宜聖外野手(3年・183cm85kg・右投右打)に、フィールディング名人の近藤大樹遊撃手(2年・168cm68kg・右投左打)がいる。