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バスケ界の“レジェンド”大神雄子。
現役最後の勇姿を絶対に見逃すな!
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byYusuke Nakanishi/AFLO SPORT
posted2018/03/15 08:00
21歳という若さでアテネ五輪に出場した大神雄子。アンテロープスで有終の美を飾れるか?
最後は古巣のチームに勝って終わりたい。
今季からチームメートになった日本代表の長岡萌映子は、大神についてこのように語る。
「シンさん(大神)と1年間一緒にやって、ベテランの影響力の大きさを感じた。
シンさんがいるからこそ、チームに一体感が生まれた。シンさんのバスケットに対する打ち込み方、キャプテンやベテランのあり方を見られて良かった」
引退後の夢を明確に持ちながらも、シーズン中はあくまで選手としての生活にすべてを注ぎ、コンディショニングに集中してきた大神。だからこそ、最後は勝って終わりたい。
思い描いているのは、3月25日の決勝戦でJX-ENEOSに勝って、勝利で自身の現役ラストを締めくくること。
トヨタ自動車は1月の全日本選手権でJX-ENEOSと準決勝で対戦し、52-78で敗れた。今回のプレーオフは、最強チームであり古巣でもあるJXを破る最後のチャンスである。
12月のWリーグではJX-ENEOSに今季唯一の黒星をつけている。チャンスはあると見ている。
その前にまずは準々決勝がある。
3月18日に秋田県立体育館で三菱電機コアラーズと対戦する。
WNBAにも渡り、日本バスケ界を変革し続けた。
「バスケットは、さまざまな喜怒哀楽を含めて、すべてにおいて今の自分そのもの。
たくさんの人に出会って今の自分がありますが、それはすべてバスケットがつなげてくれたことです。なくてはならないような、自分の人生のパーツの一部です」
JOMO(現JX-ENEOS)に所属していた'08年に日本人2人目のWNBA参戦を果たし、'14年には中国リーグの山西興瑞でプレーした。国内復帰の際にはWリーグの移籍ルールが選手に不利になっている現実を訴え、その後の緩和につなげた。
「5年後、10年後に『こういう選手がいたな』と思ってもらえればうれしいですね」
オンザコートでもオフザコートでもチャレンジの連続だった大神のバスケット人生。最後のチャレンジが楽しみだ。