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バスケ界の“レジェンド”大神雄子。
現役最後の勇姿を絶対に見逃すな!
posted2018/03/15 08:00
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph by
Yusuke Nakanishi/AFLO SPORT
今季限りでの引退を表明している偉大な選手のフィナーレが近づいている。
3月11日、石川県輪島市で行なわれたWリーグ・レギュラーシーズン最終節。女子バスケットボール界の顔として長い間、君臨してきたポイントガードの大神雄子は、この日もトヨタ自動車アンテロープスのキャプテンとして先発でコートに立った。
緩急自在のゲームコントロールと、切れ味のあるパスは健在。3ポイントシュートは3本打って2本を決めた。35歳になってなお身体にはキレがあり、軸のぶれないピボットターンは美しかった。
21分間のプレーで、6得点4アシスト。チームは75-64でトヨタ紡織サンシャインラビッツを下し、レギュラーシーズンの順位は3位と確定した。
「プレーオフでは1つ負ければ終わり」
試合後はまず、反省の弁が口を突いた。
「プレーオフ進出を決めているので、そこへどうつなげていくかという試合だった。課題はありますね」
そう言いながら眉間にしわを寄せたように、詰めの甘さが露見した試合だった。
トヨタは第1Qで18-13と手堅くリードすると、第2Qで15点差、第3Qでは最大で19点差をつけた。けれども、第4Qは立ち上がりから隙を見せてしまい、残り7分30秒から5連続シュートを決められて58-54。セーフティーリードを一気に失う。
水島沙紀の3ポイントや馬瓜エブリンのゴール下などで最後は突き放したが、経験豊富な大神にとって、4点差まで詰め寄られたのは看過できない反省材料だった。
「自分たちで点差を縮めさせてしまった。何が起こるか分からないのがバスケット。突き放せるときに離さないといけない」
そして、意を決したように加えた。
「プレーオフでは1つ負ければ終わりですから」