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J2新潟にジュビロ黄金期の遺伝子が。
鈴木新監督と「カンペーちゃん」。
text by
大中祐二Yuji Onaka
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2018/03/10 17:00
「N-BOX」を駆使して磐田黄金期を築き上げた鈴木政一監督。アルビレックス再建の重責を担っている。
名波、服部、福西とヴェルディで同僚。
富澤がユースからトップに昇格し、東京Vでプロになったのが'01年。まさに磐田の黄金期である。
「デビューしたころの磐田のサッカー、あの質の高さは肌で感じています。本当に強かった」
その後、黄金期の中盤を支えていた名波浩(現磐田監督)、服部年宏が'07年に、福西崇史が翌'08年に東京Vに加入し、ともにプレーすることになる。そして黄金期の磐田を率いていた鈴木政一監督の下で、今シーズンはプレーする。
「ヴェルディでハットさん(服部)たちがよく言っていた言葉が、今、新潟でサッカーをやっていてすごくリンクするし、納得できるんです。それらは僕が感化され、ずっと求めてきたものであり、僕が教わった先輩方を教えた人が(鈴木)監督なんです」
思いがけない、めぐり合わせ。ルーツとの遭遇に、ベテランは胸を高鳴らせているのである。
「口酸っぱく『考えろ』と言われた」
ヴェルディ時代に言われたことでよく覚えているのが、考えろ、だという。
「日ごろから口酸っぱく言われていた『考えろ』というのが、すごく残っています。それがきっかけで、例えばポゼッション練習で3人目の動きを意識するようになったり。単純なことなんですけど。考えながら判断して、選択肢を持って、その中でベストの判断をできるか。それは今、新潟で監督が言っていることにも通じます」
20代前半、それまでは何も考えず、その日の調子任せでプレーしていたという富澤。考えることを求められて「とにかく必死でした。聞いて、学んで、それをどうプレーに落とし込んでいくか。それで一日一歩でも、半歩でも何とか前進しようとする。ときには後退もしながら、その繰り返しでした。必死だったけれど、そうやって突き詰めるのが楽しくもあった」。