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ヴェルディ2年目のロティーナ哲学。
栄光のユース10番・藤本寛也を抜擢。
text by
海江田哲朗Tetsuro Kaieda
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2018/03/09 10:30
中島翔哉、安西幸輝ら東京Vを経て飛躍した選手は数多い。藤本寛也にはどのようなサッカー人生が待ち受けるか。
堅実でありながら果断の人でもある。
プロ2戦目の甲府戦、藤本は目立ったパフォーマンスを示せず、57分に途中交代となった。
「フィジカル面での差はそれほど感じませんが、やはり巧さのところでは違うなと。ボールを縦、横と動かされ、なかなか取らせてもらえない。今後、自分にとっては常にゴールを目指してプレーすることが大事になってくると思います」
選手のキャリアは、どのタイミングで誰と出会うかによって、先々が大きく変わってくる。その点、藤本はプロのとば口でひとつの幸運を手にした。
堅実でありながら、果断の人でもあるロティーナ監督は、地に足をつけて粛々とチームづくりを進める。
ボールの動かし方、精緻なポジショニング、守備の対応の仕方、求められるプレーモデル、それらの集合体であるチームコンセプトは、最終的に個人を前景化させるために欠くことのできない基盤だ。昨季、そうして飛躍的に力を伸ばし、鹿島アントラーズに移籍した安西幸輝はその成功例と言える。
今季の東京Vがどうやって目標に接近し、そこで誰が輝きを放つのか。ロティーナ監督の手腕から目が離せない。