バレーボールPRESSBACK NUMBER
プロクラブ宣言に超高額チケット。
バレーの異端児・ヴォレアス北海道。
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byVOREAS HOKKAIDO
posted2018/03/08 07:00
V・チャレンジリーグII男子 最終節の奈良NBKドリーマーズ戦を3-0のストレートで勝利。勝率で上回ったヴォレアスが優勝を果たした。
どのカテゴリーでも今の価格を維持。
「おかげさまでいちばん高い席ほど先になくなるんですよ。来てくださったお客様にも、価格以上の価値があると言っていただいています。高いかもしれないけれど、その席に座る優越感とか、“このチームを応援しているんだぞ”という仲間意識も徐々に生まれてきているのかなという印象を受けています」
現在、V・プレミアリーグのチケット販売は、親会社が福利厚生の一環として団体購入する“チーム券”に頼る部分が多い。そのため、「何が何でもチケットを売らなければならない」という危機感は希薄になりがちだった。
となれば、チケットを売る工夫をする必要もない。そういった現状に危機感を覚え、今秋から開幕する新リーグ「V.LEAGUE」に向けて、Vリーグ機構と各チームはビジネス化を目標とした構造改革を進めている最中である。
「今後、ホームゲームが増えても、そして、どのカテゴリーに昇格しても基本的に今のチケットの価格を維持したい。それこそ、トップリーグになったからといって、そのときに値上げするのもどうかと思いますから。そのあたり(トップリーグ昇格)までも見据えて、我々は価格設定をしています」(池田)
「お金をだしてください」とは頼まない。
チーム運営の核ともいえる活動資金の集め方に関しても、これまでにない道を開拓しようと試みていると説明する。
「スポンサー集め、イコール資金集めのようなイメージになるのですが、それも日本のプロスポーツが成長しないひとつの理由だと思っています。企業さんに頼りがちというか、頼るしか方法がないという固定観念がある。そこを変えようと考えています。
実は、企業さんに“お金を出してください”とお願いしたことは、ほぼないんですよ。その代わりに、双方にメリットのある事業提案をして、ビジネスとしてとらえてくださいとお話ししています」
協賛社にとってのメリットが広告や福利厚生だけでは、業績次第でスポーツから離れる企業も現れるからだ。