バレーボールPRESSBACK NUMBER
プロクラブ宣言に超高額チケット。
バレーの異端児・ヴォレアス北海道。
posted2018/03/08 07:00
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph by
VOREAS HOKKAIDO
2018年2月25日、旭川市総合体育館にて行われた2017/18V・チャレンジリーグII男子大会にて、ヴォレアス北海道がリーグ参入初年度での優勝を決めた。
ヴォレアス北海道は2016年に、北海道を拠点とする初めてのプロバレーボールチームとして誕生した。初参戦となった2017/18V・チャレンジリーグIIは、V・プレミアリーグをトップカテゴリーとする日本のバレーボール競技においては、3部に当たるリーグである。
しかしヴォレアスは、初年度から外国人のエド・クライン監督を採用し、全日本経験がある選手を獲得するなど、その動向がバレーボールファンの間で大いに注目を集めていたチームだ。今回のリーグ優勝は、話題性だけではなく実力も兼ね備えたチームであることを証明する結果となった。
最初に目を引いたのが、ヴォレアスが自ら「プロバレーボールチーム」と名乗っているところだ。
これまで日本のバレーボールリーグに参加してきたチームは、ほとんどが企業を母体とする団体で、いくつか存在するクラブチームも「地域密着型スポーツクラブ」や「企業複合型スポーツクラブ」と形容されている。
自らプロと名乗るチームは、記憶する限り1990年代後半に活動していたオレンジアタッカーズ以来で、男子チームでは初めてだろう。
きっかけは、北海道のバレー人口減少。
ゼネラルマネジャーの池田憲士郎はこう語る。
「あまり深い意味はなかったんですが、要は“本気だよ”ということですね。プロフェッショナルって、そういうことじゃないですか。選手の中にはプロという雇用形態の選手もいますし、そうでない選手もいます。ただしチームはプロフェッショナルとして活動していこうという思いです」
前身である建築設備会社IDFからバレーボールチームを分離、法人化したのが2016年のこと。発足のきっかけは、北海道におけるバレーボールの競技人口の減少だった。道内にはバレーボール強豪校が多く、大勢のトップリーガーを輩出しているが、近年は少年少女の競技者が激減しているという。
「小学校、中学校のバレーボールチームがどんどん減って、野球、サッカー、バスケットに子供たちが流れていく印象でした。やはり、子供たちにとってトップカテゴリーのチームが地元にあることは極めて大きい。すぐに人気に直結するんだなと実感しました」
北海道コンサドーレ札幌や、北海道日本ハムファイターズ、レバンガ北海道のようなシンボルチームを、バレーボールでも作りたいという目標ができた。