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36歳フェデラーが世界1位を奪還。
ヒーロー健在の幸せと待望の次代。
text by
山口奈緒美Naomi Yamaguchi
photograph byGetty Images
posted2018/02/28 10:30
テニス界の象徴とも言えるロジャー・フェデラーの健在は喜ばしいが、ライバルの存在がその輝きをさらに増すはずだ。
ビッグ4の時代が懐かしくもある。
フェデラーの前に、真のライバルとして立ちはだかったのはナダルだけだったかもしれない。11勝23敗と大きく負け越していた5歳下のライバルに対し、復帰以降4戦全勝を挙げた。昨年はそのナダルの復活も注目されたシーズンだったが、昨年終盤から膝が思わしくなく失速しているだけに、ポイント差以上に独走状態の印象だ。
ジョコビッチの全盛時代、2位にすら2倍以上のポイント差をつけていたことがあったが、少なくともマリーやフェデラー、ナダル、スタン・ワウリンカといったライバルたちとの激しい戦いを繰り広げた末の王者君臨だった。
こうなってくるとかつてのエキサイティングなビッグ4の支配時代のような激しさ、史上最高レベルと言われたグランドスラムのチャンピオン争いの時代が懐かしくもある。日本のファンにとっては、そのすぐ後ろに錦織圭がつけていたという興奮もあった。
再び世界のファンに最高のスリルを味わわせてくれるのは、かつてのライバルたちか、台頭する新世代か。次の展開が待たれる。