球道雑記BACK NUMBER
30本、30盗塁も夢じゃない!
ロッテ中村奨吾を覚醒させた2人の師。
text by
永田遼太郎Ryotaro Nagata
photograph byKyodo News
posted2018/02/28 16:30
天理高、早大を経て2015年ドラフト1位で入団したプロ4年目。今季は大学時代に守った二塁の定位置を狙う。
目指すのは、現役時代の井口監督の打撃。
中村が目指すところ。それは逆方向にも強い打球が打てる現役時代の井口資仁監督のようなバッティングだ。
それは入団当初からぶれていないし、何を言われようと貫くところは貫いて、ずれが生じればその都度修正する。それをプロ入りからこの3年間繰り返してきた。
継続してきた努力がようやく実を結ぼうとしている。今がその時期だ。
そんな中村に対して井口監督は「サーティーサーティー(30本塁打、30盗塁)に一番近い」と評する。
昨年後半の彼の変化、そして2015年の入団時から高く評価されてきた潜在能力。それらを買ってのことだろう。けっして大口を叩かない井口監督である。中村がそれを実現する日は案外遠くないような気がした。
井口監督が推し進める“走塁改革”。
昨年、中村に貴重なアドバイスをくれた福浦が今年から選手兼任打撃コーチになったのに加え、井口の現役時代の師匠である金森栄治が6年ぶりに打撃コーチに就任したのも心強い。金森の復帰で昨年まで不振にあえいでいた清田育宏も、肉離れというアクシデントは残念だったが、この春季キャンプで復調気配を見せていた。中村にとってもきっと追い風になるだろう。
井口監督が推し進める“走塁改革”についても高い理解を示している。
昨年は11個に終わった盗塁も今年は積極的に狙うことを約束。30盗塁も高い確率で実現すると見ていい。
「チーム内で走りたい選手はいっぱいいたと思いますし、自分も出れば走りたいという気持ちは当然あります。
(昨年は)9月に盗塁を8個決めて、ちょっとは自信になりましたし、オギさん(荻野貴司)みたいに、そこまで警戒されていないから走れたというのもあると思うんですけど、でも(2017年に)2桁走れたのは、2016年やその前の年に比べて、自信になりましたし、実際(数字的にも)多く走れたと思っているので、この感覚を今後に活かしていきたいなと思います」