セリエA ダイレクト・レポートBACK NUMBER
セリエAの優勝争いが熱い!
ナポリはユーベ7連覇を阻止できるか。
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byGetty Images
posted2018/02/22 10:30
25節終了時点で首位ナポリと2位ユベントスの勝ち点差は1のまま。得失点差ではナポリの40に対して、ユベントスが47と上回っている。
過去28年間で最高の一体感。
今季の真骨頂ともいえるゲームの後、連続出場を続けるFWカジェホンが全選手を代弁した。勝ち点3への執念が込められていた。
「俺たち全員の頭の中には、スクデットという同じ夢がつまってる。今シーズンのキャンプ初日から、ずっとだ。まだ2月で気が早いことはわかっているが、この夢のためには今、力尽きるわけにはいかない。
今日の試合は勝ち点はもちろんのこと、(膝を再故障した)グラムのためにどうしても勝ちたかった。うちはチーム全体がファミリーだから」
こんなに結びつきが強く、一体となって戦うナポリは、過去28年間なかったように思う。
ELは捨てて、セリエ1本に絞る。
今季のナポリにとって、ファーストプライオリティは「スクデット」しかない。ELはもう二の次だ。
監督サッリは、ライプツィヒとのベスト32ラウンドの前日会見で「ヨーロッパの強豪になる前に、まずは国内を制することが先決だ」と宣言し、控えやポジションを入れ替えた選手でホームでの第1戦に臨み、1-3の惨敗で落とした。
アウェーでの2戦目を待たずに大会敗退はほぼ確定だが、セリエA1本に絞るという指揮官と選手たちの腹はもう決まっているのだ。
今のナポリなら、ユーベから何度逆転されようが、抜き返すことができる。
サッリ親分は静かな口調でファンへ約束した。
「スクデットを獲るために、私は魂をかける」
7連覇を目指すユベントスの智将アッレグリも、サッリの挑戦を受けて立つ。王者ユーベは25節でトリノを下し、リーグ戦9連勝。ナポリと同じハイペースで追走する。
「セリエAは(バイエルンが独走する)ブンデスリーガとはちがう。うちとナポリの一騎打ちだ。優勝は最終節までわからんよ」
シーズンの残り3分の1が始まる。
ナポリ悲願のスクデットへドラマはまだまだ待っている。