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セリエAの優勝争いが熱い!
ナポリはユーベ7連覇を阻止できるか。 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2018/02/22 10:30

セリエAの優勝争いが熱い!ナポリはユーベ7連覇を阻止できるか。<Number Web> photograph by Getty Images

25節終了時点で首位ナポリと2位ユベントスの勝ち点差は1のまま。得失点差ではナポリの40に対して、ユベントスが47と上回っている。

攻撃チームだったナポリがリーグ最少失点。

 今季のナポリは、昨季までと比べて明らかに進化した。

 最も顕著なのは“堅守化”だ。

 25節終了時点の失点数はユーベと並んでリーグ最少の15失点。リーグ戦での完封試合数は、すでに昨季の年間記録「12」を越えた。昨季のセリエA最多得点チームであり、イタリア屈指の攻撃志向派であるはずのナポリが、守り勝っている。

 一糸乱れぬ最終ラインを形成するのは、百戦錬磨のアルビオルとセネガル代表クリバリーのCBコンビに、右SBヒサイと左SBマリオ・ルイの元エンポリ組を加えた4バックだ。

 特に対人守備率やボール奪取数などで、今やセリエA最強クラスの万能DFとなったクリバリーの壁は容易には破れない。

 指揮官サッリの守備戦術を忠実に実行する彼らは、相手を自陣に誘い込み、囲んでハメて潰して奪う。今季はさらに中盤から1人下げさせて、5バックで守りを固めることを厭わないほど守備への意識が高くなった。

 SBグラムが昨年11月に続いて再び右膝を痛めてしまったが、今季はDFキリケシュやDFトネッリといったリザーブ組も頼もしい。

 サッリが2年を費やし、浸透させてきた守備戦術が結実している。ナポリのDFたちは互いに何をどのタイミングで実行すればいいのか、迷いがない。

ユーベ化が進行し、増える「1-0」。

 特筆したいのが、イタリア・サッカーの真髄ともいえる「1-0(ウノ・ア・ゼロ)」スコアの増加とその内容だ。この変化は“ナポリのユーベ化”と言い換えてもいい。

 昨季1試合だけだった「1-0」は25節スパル戦で今季5度目となり、サッリ体制下でのシーズン最多記録を更新した。

 '15-'16年シーズンに記録した「1-0」の4試合はホーム&アウェーが2試合ずつ、決勝点はいずれも当時の絶対エースFWイグアイン(現ユベントス)によるものだった。

 だが、今季5度完遂した「1-0」ゲームでは、すべて異なる顔ぶれがゴールネットを揺らした。特定の得点源に頼らずとも、ローマやアタランタといった難敵とのアウェーゲームで4度も勝ち点3をもぎ取った。

 ナポリがいかに高練度の連動攻撃を持つとはいえ、つねに大量ゴールや綺麗な勝ち方ができるわけではない。

 先週末のスパル戦もナポリのワンサイドゲームだった前半から一転、後半は相手のラフプレーにペースをやや乱された。雨と芝に汚れながら、前半6分に奪ったMFアランの先制点と勝ち点3を守り切った。

 今季のナポリの戦いぶりを見ていると、王者ユベントスと見紛うような試合運びに驚かされることが1度や2度ではないのだ。

【次ページ】 監督が退場処分になっても焦らない。

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