JリーグPRESSBACK NUMBER
内田篤人「ゲーム、楽しかったよ」
感情を無にした時期を乗り越えて。
text by
![寺野典子](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/6/3/-/img_63c0172edf1a3eec5d5017836b5eb9301895.jpg)
寺野典子Noriko Terano
photograph byGetty Images
posted2018/02/16 17:00
![内田篤人「ゲーム、楽しかったよ」感情を無にした時期を乗り越えて。<Number Web> photograph by Getty Images](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/4/b/350/img_4bda58be8d66076bf1c281fb38f6f93f84234.jpg)
内田篤人が楽しそうに、真剣にサッカーをしている。その姿がすでに尊いが、本人の目標はまだこんなものではないのだ。
ロッカーでチームメイトにかけた一言。
「攻めても攻めても点が取れないという試合はサッカーではよくある。でも、メチャクチャいいサッカーをしたと思う。絶対にやっていることは間違っていない。自信を持っていい。胸をはっていい」
中国の強豪相手にシュート21本を放つ一方的な展開ながら、同点弾1本しか得点をあげることができなかった鹿島。ホーム初戦で勝ち点3を上げられず、試合後のロッカールームで悔しさをにじませるチームメイトに対して内田はそう言ったという。
その発言の裏にも「我慢」という想いが漂っているのかもしれない。
6月のワールドカップについて繰り返し問われて、内田は2度同じように答えている。
「代表のことはよく聞かれますけど、今、僕は代表に全然入っていないので、今は鹿島で勝ち点を重ねることしか考えていません。鹿島のためにしっかり働きます」
そして、完全復帰と呼べる目途はあるのかと問われると「チームに勝ってほしい。勝ち続けてなんぼだからね。それで自分もチームも波に乗れるのかな」と。
「いい試合だった」と言いながらも、内田の心を占めているのは、やはり、勝利できなかった悔しさなんだなと改めて思った。そして、それを味わえることの喜びも。
![](https://number.ismcdn.jp/common/images/common/blank.gif)