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原大智「金メダルを取れたのに……」
男子モーグル初の銅もただの通過点。
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph bySunao Noto/JMPA
posted2018/02/14 12:30
東京・渋谷出身の原。東京都からの冬季五輪メダリストは初となる快挙でもあった。
「グラブつきコーク720」を成功させた!
2月12日、キリッと冷え込んだ夜のフェニックスパークスキー場。
決勝3回目で最終滑走となる6番目に登場した原は、第1エアでオリジナル技の「グラブつきコーク720」を成功させると、多くの選手が悩まされた硬いコブをハイスピードのまま果敢に攻め、第2エアでは「バックフリップ」を成功。82.19点をたたき出した。
先に滑っていたミカエル・キングズベリー(カナダ)の86.63点、マット・グレアム(オーストラリア)の82.57点には及ばなかったが、モーグル史上日本人男子初となる銅メダルを獲得した。
1番スタートの緊張で「吐きそうな思い」。
大会中にはメンタル面の成長も見せていた。9日の予選は1番スタート。
「(予選の前日に)スタートリストで1番と聞いたときから『まじか~!』と、緊張で吐きそうな思いでした。
10時半にベッドに入ったのですが、その後しばらくモゾモゾして……。でも、モーグルの全男子選手の中で先陣を切っていけると開き直ったら、これは凄いことだと、うれしい気持ちになりました」
予選を全体の6位で通過すると、12日は決勝の2回目をトップで通過し、3回目は6人中、最後の滑走となった。
結果はほぼノーミス。
身長172cm、体重75kgというガッチリとした身体で板にしっかり乗り、硬いコブを攻略した。