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小島太「俺はサクラの馬、境厩舎」
名騎手、名調教師だった男の定年。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byKeiji Ishikawa
posted2018/02/10 09:00
1994年の皐月賞ではサクラエイコウオーに騎乗した。長年の競馬ファンならピンクの勝負服=小島太のイメージだろう。
3月には武幸四郎ら新世代の調教師が開業する。
「キタサンロス」に、「小島ロス」と「尾形ロス」まで重なってしまうわけだが、寂しいとばかり言っているわけにはいかない。
入れ違いに、3月には武幸四郎調教師をはじめとする新調教師が厩舎を開業し、新人騎手もデビューする。
また、小島師が育てたマンハッタンカフェは2015年に死亡したが、その血は産駒を通じてつながれている。騎手時代に騎乗したサクラバクシンオーはキタサンブラックの母の父としておなじみだ。
尾形師がアメリカのセリで見いだしたグラスワンダーの血も、スクリーンヒーロー、その産駒のモーリスなどにより、さらに勢いを増すだろう。
名調教師からの贈り物を大切に思い、新時代の競馬を見つづけたい。