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稲葉篤紀「五輪はWBCと全然違う」
侍ジャパンへ、新指揮官の忠告。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byIchisei Hiramatsu
posted2018/02/14 07:00
ヤクルトや日本ハムでの日本一を知る稲葉監督。国際大会では勝負への厳しさを貫く。
「開会式に出て交流したいですね」
そういう普段とは違う環境の中で、稲葉監督にはもう一つ、別の思いがある。
「僕の今の考えとしては、まず開会式に出たいですね」
北京では野球の代表は選手村に入らずにホテルに宿泊し、選手団とは全くの別行動だった。日程的にも開会式には参加できなかった。そのことに心残りがあった。
「選手のときにも出てみたかったです。テレビで観る開会式では、選手みんなが手を振って、そこで『日本頑張れ!』と、どの競技の誰それという紹介がされる。そこで『ああ野球の選手団ですね』というのもいいんじゃないのかな、と。それと控室で他の競技の選手との交流もできると思うんですね。スケジュール的な問題はあるかもしれませんが、それでも僕はやってみたい」
日本の五輪選手団の一員として、野球の侍ジャパンもいる。それもまたオリンピックという大会の醍醐味である。
(Number939号『稲葉篤紀「オリンピックは、WBCと全然違う」より)