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稲葉篤紀「五輪はWBCと全然違う」
侍ジャパンへ、新指揮官の忠告。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byIchisei Hiramatsu
posted2018/02/14 07:00
ヤクルトや日本ハムでの日本一を知る稲葉監督。国際大会では勝負への厳しさを貫く。
「勝利主義を目指してやっていく」
大会は日本と韓国、台湾の3カ国・地域が参加して行われ、24歳以下、またはプロ入り3年以内の選手にオーバーエイジ枠3人までを加えたチーム編成。侍ジャパンは投手に田口麗斗(巨人)、今永昇太(DeNA)、薮田和樹(広島)、山崎康晃(DeNA)らにオーバーエイジで又吉克樹(中日)を加えた11人。
野手は近藤健介(日本ハム)、源田壮亮(西武)、京田陽太(中日)、オコエ瑠偉(楽天)、上林誠知(ソフトバンク)ら12人にオーバーエイジで甲斐拓也(ソフトバンク)と山川穂高(西武)を加えた14人を登録。稲葉監督にとっては公式戦での初陣を飾る大会となった。
「国際大会というのはとにかく勝つことを目指さないといけない。2020年の東京オリンピックに向けて、というのも当然あります。でもまずは僕の初陣ということで勝ちたい。とにかく勝ちたい。勝利主義ですね。そこを目指してやって行きたい」
韓国と台湾にも勝ち続けることで……。
2015年のプレミア12では準決勝で韓国に手痛い黒星をつけられている。遡れば北京五輪や、過去のWBCでもアジアの最大のライバルとして韓国と台湾は常に日本の前に立ちはだかってきた歴史がある。
「今回は参加が3チームですが、そういうアジアのライバル国には勝ちたいし、勝たなければいけないですね。こういう大会でも韓国に勝つことで、台湾に勝つことで選手には勝ったという自信が生まれる。そういう自信をつけさせることは若い選手の成長にもつながります」
アジアの国だけではない。とにかく数多くの国際試合の舞台に立ち、勝利と経験を積み重ねていくことが、五輪本番での結果に必ず結びつくと考えている。
「オリンピックというのはアマチュアの大会で、WBCなどのプロの国際大会とは全然違うなと感じています。審判もアマチュアの審判ですし、監督コーチも全部で4人しかベンチに入れません。練習時間とかいろんな制約がありますし、荷物も選手が自分で運ばなければならない」