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サンウルブズの主将は流大とブリッツ。
ジェイミーHCはなぜ2人制を採用? 

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大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

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photograph byNobuhiko Otomo

posted2018/02/09 10:30

サンウルブズの主将は流大とブリッツ。ジェイミーHCはなぜ2人制を採用?<Number Web> photograph by Nobuhiko Otomo

ウェイトトレーニングに励む流大。ジェイミーの信頼の厚さをブリッツとともに結果で証明したい。

合宿で流大とブリッツをキャプテンに指名した。

 昨年10月の就任会見でジェイミーは言った。

「私もハイランダーズでは7度のシーズンを戦って、初めてチャンピオンになった。すぐに強くなる特効薬はない。選手もコンビネーションを高めるには時間がかかるもの。日本の方々は結果を早く求めすぎる傾向にあるけどね」

 字面だけ追えば予防線を張ったように読める言葉だが、口調に漂っていたのはむしろ自信だった。

 それは、シーズンに向けて始動した別府合宿でも同じだった。

 合宿始動日となった1月29日の練習後、ジェイミーはサンウルブズの今シーズンのキャプテンを発表した。

 ジェイミーが指名したのは流大(ながれ・ゆたか/サントリー、SH)とヴィリー・ブリッツ(NTTコム、No.8)の2人だった。

「現代ラグビーでは2人のリーダーが必要だ」

「現代のラグビーでは、2人のリーダーを置くことが必要だと思う」とジェイミーは言った。

「スーパーラグビーはシーズンが6カ月続くタフなコンペティションで、その間にはいろいろな困難を乗り越えなければならない。そのすべてを1人のキャプテンに背負わせるのは酷だ。2人のキャプテンを置けば負担を分け合うことができるし、それぞれのリーダー気質を発揮できる。これは私が一貫して取り組んできた方法だ」

 ハイランダーズ時代はNo.8ナッシー・マヌーとFBベン・スミスという2人のキャプテンを置き、2015年に優勝を飾った。日本代表のHCに就任後も、最初の指揮となった2016年11月のアルゼンチン戦/欧州遠征では、HO堀江翔太とCTB立川理道という2人キャプテン制を敷いた。昨年11月のオーストラリア戦/フランス遠征でも、名簿上にキャプテンマークがついていたのはリーチマイケルのみだったが、スコッド発表会見では立川を「コ・キャプテン」(共同キャプテン)と呼んだ。

 複数キャプテン制は、日本ではあまり聞かない。キャプテンはチームの舵取り役として常に先頭に立ち、すべての責任を負い、決断を下す――孤高の存在ともいうべき、ヒロイックなキャプテン像が根強く語られてきた。複数リーダー制は、むしろネガティブなイメージを持たれることが多かった。「船頭多くして、船山に登る」ということわざもある。

 だがジェイミーには信念があった。

 そして、指名するべき相応しいリーダーがいたのだ。

【次ページ】 「リーダーシップをシェアしてくれる」という観点。

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