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増嶋竜也が“柏以上の地元”千葉へ。
「小学生の頃ジェフのユニで……」
text by
塚越始Hajime Tsukakoshi
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2018/02/02 11:00
ジェフにとっても、増嶋竜也の加入はJ1昇格への大きな推進剤になるはずだ。
千葉のスタイルとの相性、そして旧知の仲間たち。
もちろん、千葉の戦い方に魅かれての決断でもあった。経験を積むごとに少しずつ変化を遂げてきた彼のプレーが、J1昇格を唯一無二の目標に掲げて2年目を迎えた千葉のフアン・エスナイデル監督のスタイルで生きる――符合するという自信があったからだ。
「昔よりも走力が増えて、積極的にボールを奪いにいくようになったんです。そういったところで、徹底して仕掛けていく現在のジェフのサッカーと『合う』と思いました。積極的にボールを奪いにいきながら、周りの選手も動かしていきたいです。リスクは高いけれど、だからこそやり甲斐を感じるんです」
そう語る増嶋の周りには、勝手知ったる仲間が付いている。
「一緒に高校生活を送った仲間とここで再びプレーできるなんてね。それから、お互いいろんなチームに行って苦労してきたから」という市立船橋高時代のGK佐藤優也。
そして「(加入決定後)練習や監督の人となりについては連絡を取って聞いていました。まずポジションを取って、一緒に試合に出られたら、ずっと(柏で)やってきたので楽しみな部分が大きい」というDF近藤直也……など。
自分が周りの特長を引き出し、周りにも特長を生かしてもらう。それが信条の彼にとっては心強い環境だ。
地元の応援は、絶対に力になる。
千葉県で生まれてサッカーと出会い、市立船橋高で日本一に輝き、県内にあるJリーグ両クラブでプレーし、柏でJ1優勝に貢献した。そしてジェフをJ1昇格に導けば――。誰もが認める「千葉の顔」になる。千葉県を背負っていく宿命かもしれない……。
Jリーグの5クラブでプレーしたことによって、“地元”だからこその応援が、特別な力を貸してくれるのを肌で感じてきた。それも、今回、千葉行きを決断した要因のひとつだ。
「地元のいろんな方に応援してもらいたいです。これまで移籍をしてきて感じているのは、やはり地元出身の選手に対して、みんな熱く応援してくれること。それはどのチームでも感じました。
レイソルにいたときも、その熱を感じて力をもらいました。もちろん、活躍したうえでのこと。だから今度はジェフで活躍して、背中を後押ししてもらえるように、皆さんの信頼を掴みたいです」