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錦織圭に憧れた韓国のチョン・ヒョン。
全豪で一躍スターになるまでの道のり。 

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山口奈緒美

山口奈緒美Naomi Yamaguchi

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photograph byAP/AFLO

posted2018/01/25 17:00

錦織圭に憧れた韓国のチョン・ヒョン。全豪で一躍スターになるまでの道のり。<Number Web> photograph by AP/AFLO

敗れたジョコビッチから祝福を受けるチョン。試合後、ジョコビッチがチョンを絶賛するコメントを出すほどの強さだった。

『ネクストジェン・ファイナルズ』の初代王者として。

 前兆はあった。

 12歳の頃、世界最大のスポーツマネジメント会社であるIMGが目をつけ、これまで育ててきた。昨年11月にイタリアのミラノで開催された21歳以下限定のツアーファイナル『ネクストジェン・ファイナルズ』では、初代チャンピオンの座を獲得している。

 韓国テニス界最大のホープは、次世代のスター候補8人が集う大会の頂点に立った自信を武器に、今シーズン早々、一気に次のステージへと飛躍してきたのだ。

「錦織選手を目指し、一生懸命追いかけている」

 そして準々決勝後の記者会見。この数年のアジア勢の活躍について聞かれたチョンはこう答えている。

「錦織圭選手がアジア人としてトップ10に入ったので、僕たちアジアの選手は皆、錦織選手を目指し、一生懸命追いかけている。彼はアジアの誇りです」

 2年前まではまったく英語を話せなかった彼が、シンプルな言葉で語った強い思いにグッとこなかった日本人がいるだろうか。

 錦織は、同じ日の早朝(日本時間)に行なわれたチャレンジャー大会での復帰戦で世界ランク238位に敗れたばかりだった。

 ちなみに、今大会には韓国からもう1人、若い男子選手が出場していた。

 日本選手も数名が出場していた全豪オープンのアジア枠ワイルドカードの争奪戦を制した20歳のクォン・スンウ。彼の憧れの選手はやはり錦織で、1回戦で完敗したあと、「プレーの全てがお手本。全部好き」と話していた。

【次ページ】 体格面で共通のハンデを背負っているという親近感。

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