Jをめぐる冒険BACK NUMBER
森保ジャパンの意義ある1-0発進。
“縦”を消されても工夫で取った1点。
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byKyodo News
posted2018/01/11 12:20
攻撃に厚みを加えていた右ウイングバックの藤谷壮。東京五輪世代である以前に、彼らは日本サッカーの明日を担う若手でもあるのだ。
他のチームは23歳以下、日本だけが21歳以下。
終盤に入ってパレスチナの反撃を受けたが、なんとか凌ぎきり、森保ジャパンは白星スタートを切った。「初戦に勝てたことはすごく大きいし、難しい中で勝てたことは自分の中でもホッとしている」とキャプテンマークを巻く神谷は胸をなでおろした。
今大会は16チームで争われているが、2年後のオリンピックを睨んで21以下のチームを編成しているのは日本だけ。ほかの15チームは23歳以下のチームで臨んでいる。
「優勝を狙っている」と森保監督が言うように、参加する以上は勝利を求めて戦うが、一方で、森保ジャパンにとって今大会は2年後を見据えた腕試しの意味合いも強い。4年前の同大会をベスト8で終えた手倉森ジャパン(リオ五輪代表)が、その2年後のリオ五輪アジア最終予選で優勝したように、東京五輪までの2年間でいかに成長していくか――。
その意味で言えば、課題が溢れるように出ながら勝点3を奪えたこの試合は、理想的な展開だった。