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新人王・源田壮亮は2年目もブレない。
あれだけ上手くても「守備の強化」。
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byAFLO
posted2018/01/12 11:30
源田はアジアチャンピオンシップでも山川(左)とともに主力としてプレーした。この経験をライオンズ2年目でも生かす。
やはりショートは守備がちゃんとできないと。
トークショー終了後、報道陣に囲まれた源田は続けた。
「今年の目標は守備の強化です。やはりショートは守備がちゃんとできないといけないと思う。コーチとも、エラーは1桁にしようと話しています」
昨年、全試合フルイニング出場を果たしたものの、エラーの数は遊撃手リーグトップの21だった。源田の守備機会の数や、ファインプレーの多さを考えれば許容範囲内とも言えるが、本人の目指す場所ははるかに高い。
ゴールデン・グラブ賞の話題になると、きっぱりとこう言った。
「いつかは獲ってみたいとは思いますけど、タイトルを獲るために野球をやるわけではありませんから。獲れたらいいな、と思うくらいです」
辻監督は輝かしくて、堅実さもあるプレーを求める。
辻監督は源田の守備について語る。
「守備の良し悪しを、一概にエラーの数だけでは判断していません。源田の貢献度はエラー数では測れない。彼はピッチャーの信頼を得るだけの守備を見せています。昨年1年間の経験で、いい意味での気持ちの余裕が出てくれれば、もっと成長するはず。守りの面でその余裕が生まれれば、エラーの数は減りますよ。彼にはエラーが多い少ないではなく、見ていて輝かしくて、その中にも堅実さもあるような息の長い内野手になってほしい」
入団2年目にして、すでに「他の選手の手本にならなければいけない選手」と源田の守備を高く評価している。
新人王を獲得した源田は、このオフはイベントやテレビ出演などに引っ張りだことなった。生活が一変したのではないかと尋ねると、シーズン中と同じく、穏やかな、消え入りそうな小さな声でつぶやいた。
「街を歩いていて声をかけられる機会はちょっと増えましたけど、普通ですよ。変わらなくていいんです、普通がいいんですよ。去年の自分の成績ですか? もちろん手応えはあるけど、まだまだです。もっとできることはあると思っていますから」