球道雑記BACK NUMBER
涌井秀章がメジャーに行った後は……。
ロッテには次の主役候補がいっぱい!
text by
永田遼太郎Ryotaro Nagata
photograph byKyodo News
posted2017/12/30 07:00
ワールドシリーズ優勝経験のある井口監督ともメジャー挑戦の相談をしたという涌井。
酒居がエース候補の存在感。佐々木も復活。
2戦目に投げた酒居は9回4安打1失点で今季2度目の完投勝利。8月の同カードでは浅村栄斗に手痛い2本の本塁打を浴びたが、この日は1本のヒットを与えるも、4打数1安打に封じ、きっちりやり返した。シーズン成績も8月4日に今季2度目の一軍昇格を果たすと、そこから先発ローテーションに定着して約2カ月間で5勝1敗の高い勝率を記録。その活躍は将来のエース候補として名乗りを挙げたように思えた。
3戦目を任された佐々木も、シーズン前半こそ己の投球を見失い苦しんだが、ファームで自身とじっくり向き合い、終盤戦を迎えるにつれて本来の姿を取り戻したように思えた。この日も7回5安打1失点で抑えるまずまずの投球。三者がそれぞれを刺激しあうかのような結果は、来季以降の千葉ロッテに希望の灯がともったように思えた。
指揮を執った伊東勤前監督も、この3連戦で次のように語っていた。
「今シーズンずっとやられてきた相手に、少しは借りが返せたかなと思いますね。二木から始まって、若い人達(酒居、佐々木)が先発として強打の打線を抑えてくれましたので、彼らなりにも自信になったと思います。これをぜひとも来季に繋げていってもらいたいです」
そう語る指揮官の表情はどこかやり遂げた感でもあり、どこかでホッとしているようでもあった。
石川、唐川、西野ら、主役候補はまだまだいる。
投手陣の軸となるべき存在は彼ら3人以外にも当然いる。
2016年の最優秀防御率投手で確かな実績もある石川歩がその筆頭で、井口資仁新監督も彼の復活には期待していることだろう。
今季3年ぶりに100イニング越え(126回1/3)を果たし、ようやく自身の投球を取り戻した唐川侑己も、涌井に代わる柱となるため自覚十分だ。
さらに先発転向2年目となる西野勇士が巻き返しを誓えば、来季から先発復帰の左腕・藤岡貴裕、再起を狙う大嶺祐太、3年目でさらなる飛躍が期待できる関谷亮太に、今季終盤戦で一軍デビューを果たした成田翔なども加わり先発陣は一定数揃う。