第94回箱根駅伝(2018)BACK NUMBER

圧倒的な層の厚さが生んだ4連覇。
青山学院大学に入った「スイッチ」。 

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生島淳

生島淳Jun Ikushima

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posted2018/01/05 12:00

圧倒的な層の厚さが生んだ4連覇。青山学院大学に入った「スイッチ」。<Number Web> photograph by Kyodo News

盤石の強さを見せた青学大の優位は次回大会以降も続いていきそうだ。

来季は三冠を目指すと宣言した東洋大。

 終わってみれば青学大の強さが際立った大会となったが、各大学にもそれぞれのストーリーがあった。

 往路を盛り上げたのは東洋大だった。酒井俊幸監督は、「全区間20km以上になった箱根駅伝で、1年生を起用するのは難しいんですよ」と話してくれたことがあるが、1年生4人を起用しての2位は立派な結果である。

 卒業する4年生はひとりだけ。当然、期待は高まる。

「学生たちは、今季と同じ目標じゃ満足出来ないでしょう。来年は『3つ』を取りにいきますよ」

 3つとは大学駅伝『三冠』のことだ。来季は青学大と東洋大の激しい競り合いが見られることだろう。

東海大は青学大と違うアプローチで挑む。

 その戦いに割って入って欲しいのが東海大だ。今回も青学大、神奈川大と「3強」の一角を形成したが、結果は総合5位。両角速監督は、

「箱根駅伝に対して1年間準備してきたかどうかの差が出ました。完敗です」

 と淡々と振り返った。

 しかし、今季はトラックで多くの選手が自己ベストをマークしており、東京オリンピックへ向けて代表を送り込む「志」は高い。トラック基点での箱根駅伝の強化は、青学大とは違ったアプローチであり、たすきと同じように色とりどりの強化策があっていいはずだ。両角監督は大会後、

「1万mで28分30秒以内の選手を10人揃え、スピードを失わず強さを身につけたい」

 と話しており、このまま黙っているわけはないだろう。

 毎年、1月3日が終わり、華やかなお祭りがお開きになると、いつも来年へと思いを馳せてしまう。

 今年もいい大会だった。

 次回の第95回大会に向け、1月4日の朝早くから、早くも練習が始まっている。

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