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新潟出身の本間勲、大野和成が去り。
それでも“アルビらしく”J1復帰を。 

text by

大中祐二

大中祐二Yuji Onaka

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photograph byJ.LEAGUE PHOTOS

posted2018/01/04 08:00

新潟出身の本間勲、大野和成が去り。それでも“アルビらしく”J1復帰を。<Number Web> photograph by J.LEAGUE PHOTOS

リーグ戦ラスト6試合5勝1分け。この好成績を同期間にマークしたのは優勝した川崎だけだった。

かつて磐田黄金時代を築いた鈴木政一監督の下で。

 この3年間で新潟を率いた監督は5人。前からプレッシャーを掛けるか、リトリートするかに守備を大別したとき、2015年の柳下正明監督(現金沢監督)はハイプレッシャーの志向が極端に強く、後を継いで2016年途中までチームを率いた吉田達磨監督(現甲府監督)は、プレッシャーを剥がされたときにリトリートすることを明確に求めた。2016年最後の片渕浩一郎監督は、吉田監督時代の守備から、前から取りに行く姿勢を少しだけ強め、残留を果たした。

 そして2017年。三浦文丈監督の下、守備も攻撃もスタイルを明確にできなかったチームは、片渕監督代行を経て、第12節から呂比須ワグナー監督が率いることとなった。当初、呂比須監督は失点に苦しむチームを立て直すため、リトリートしてブロックを固める守備を選択した。柳下元監督の対極ともいえる守り方だった。そして、紆余曲折を経てたどり着いたのが、前からボールを取りに行く姿勢である。

 2018年、チームは鈴木政一監督の下、新たなスタートを切る。2002年磐田で、2ステージ制で初の完全制覇を成し遂げた新指揮官は、新潟でどのようなサッカーを築くのか。

 挑むのは、1年でのJ1復帰だ。

 最新モードの新潟がどのようなものになろうとも、変わらないことがある。新潟のファン、サポーターが喜び、楽しみ、愛するスタイルだ。平たくいえば、新潟らしさ。それは、金銭で売ったり買ったりできるものではない。

 濃密に新潟らしさを受け継いでいた2人を失い、チームはJ2に降格して最初のシーズンを迎える。この経験ですら糧になる。新潟の人々の嗜好が、そう思わせる。

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