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勝点を運ぶ男・小林悠、30歳の覚醒。
川崎のエースは代表でどう輝く?
posted2017/12/07 11:30
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
J.LEAGUE PHOTOS
最旬のストライカーである。
12月2日に行われたJ1リーグの最終節で、川崎フロンターレの小林悠はハットトリックを成し遂げた。リーグ戦での1試合3得点は、プロ8年目で初めてである。
鹿島アントラーズを勝点2差で追いかけていたフロンターレは、小林の爆発などで大宮アルディージャを粉砕する。ホーム等々力に鳴り響いた試合終了のホイッスルは、小林の得点王とチームの優勝を告げるものだった。背番号11は初の個人タイトルをつかみ、フロンターレに待ち望んだタイトルをもたらしたのである。
2017年の川崎フロンターレでは、確実に勝点を運んできた。小林がゴールしたリーグ戦18試合は、14勝4分けの負け知らずだ。
シーズン序盤は、先制点や中押し弾が多かった。チームの戦いに勢いやリズムをもたらす得点が目立ったわけだが、シーズンの深まりとともに勝敗を決定づけるゴールが増えていく。
勝ち点を左右するゴールを立て続けに。
10月14日のベガルタ仙台戦で、フロンターレは0-2から試合を引っ繰り返した。10人になったチームを救ったのは小林だ。84分に同点弾を、87分には決勝ゴールを突き刺した。
10月29日の柏レイソル戦では、チームを敗戦の危機から救い出す。1-2で迎えた90分に、同点ゴールをマークしたのだ。
リーグ戦が残り2試合となった11月29日の浦和レッズ戦では、値千金のゴールを叩き出す。1-0で勝利したフロンターレは、最終節へ望みをつなぐことができた。
大宮アルディージャとの最終節も、効果的に得点を重ねた。1-0の前半終了間際にチームの2点目をあげ、60分に勝利を確定させるチームの3点目をゲットする。81分にはダメ押しのPKを任され、ハットトリックを達成したのだった。